こんにちは、数年以内に家族での海外移住を検討しているmikaです。
日本では会社員として働いていますが、海外移住をするなら働き方を変えて、フリーランスとしての道も考えています。
そんな日本人フリーランスにとって「オランダ」は優遇ある国というのをご存知でしょうか?
フリーランスとして海外移住を検討している方へ、オランダはどんな所がメリットなのか、デメリットはどんなことがあるのか解説していきます。
オランダってどんな国?
まずは外務省のデータをもとに、オランダの基礎情報から見てみましょう。
位置:西ヨーロッパ。東はドイツ、南はベルギーとお隣さん。
言語:公用語はオランダ語。ドイツ語と似ている。
首都:アムステルダム
宗教:無宗教が一番多く54.1%。次にキリスト教34.9%(カトリック20.1%、プロテスタント14.8%)、イスラム教5.0%、その他5.9%。
面積:41,540 km²。九州とほぼ同じ
人口:1,755万人
オランダ在留の日本人:10,460人
お隣のドイツは約4.2万人、一番多いアメリカは約43万人(外務省調べ)だから比較的日本人は少なそうですね!
海外移住先としてオランダを選ぶメリット
私は個人的にヨーロッパが好きで、オランダ含め9カ国へ旅行をしたことがあります。
オランダ旅行をした一番の思い出としては「自転車に轢かれそうになった」ということで正直あまり良い印象がありませんでした。(自分がボーっとしていたせいだけど)
オランダは自転車大国でとてもたくさん自転車乗ってる人がいました。
しかも車体が大きくてスピードが早い!
しかし今の職場で一緒に働く日本人のフリーランスライターの方がオランダ在住という話から、オランダについて少しずつ興味を持ち始めました。
その方に話を聞くとオランダは日本人フリーランスの方や、小さいお子様のいる家庭の方が移住を検討する先として、とても良さそうなんです。
ここからはその方に聞いた話も含めて、調査した内容を元に海外移住先としてオランダを選ぶメリットをご紹介します。
フリーランスビザが取りやすい
日本とオランダは1912年に「日蘭友好通商協定」が結ばれており、その中で日本人の起業家及びフリーランスに対してはオランダ移住の優遇措置が取り決められています。
以下の条件に当てはまるような日本人のフリーランスはビザの取得ができます。
- 収入:月の粗利益が€1,327.69以上(2022年7月-12月末時点)
1ユーロが140円とすると月の粗利が約18.6万円以上です。
現実的な数字ですよね。
- オランダにて事業用の銀行口座を開設し最低€4,500を口座におくことができる
こちらも同じく1ユーロが140円レートで換算すると最低63万円となります。
少なくはないですが、そこまでハードル高くないですね。
- 日本との間でビジネスを行うまたはオランダで事業を展開する
オランダの企業に就職をしたり、アルバイトをすることはできないのということですね。
- オランダに住所を構える
これらを満たした上で、オランダの商工会に登録したり、事業計画書やビザの申請書など書類を準備したりして申請をすることができます。
ビザ取得の順序はアムステルダムに拠点のある移民弁護士事務所さんがオランダ移住サポートとしてご紹介されているので気になる方はどうぞ▶︎ADAM & WOLF 移民弁護士事務所
必要な金額はリーズナブルで、かつフリーランスとして既に日本である程度の実績がある方であればそこまで難しくない条件に思えます。
確かに申請手続きや家探しは大変かもしれませんが、それはどの国でも同じこと。
既に日本でフリーランスとして活躍されている方や、海外移住後はフリーランスへの転身を考えている方にとってはオランダはとても魅力的な国でしょう。
英語を使える人が多い
オランダは母国語こそオランダ語ですが、老若男女が英語を話すことができると言われています。
世界最大の国・地域別の英語力テストを実施するEducation First(EF)によると、英語を母国語としない成人200万人に対して行った2021年の英語力テストではオランダが1位を獲得しています。(調査対象は112の国と地域。日本は78位!)
このテスト結果では、英語が得意な国というイメージがある東南アジアのシンガポールやフィリピンよりも順位が高いことになります。
仕事や生活をしていく上で、英語がほぼ通じるというのは安心感につながりますね。
子供が幸せな国
実はオランダはユニセフの調査によると「世界一子どもが幸せな国」と言われています。(報告書「レポートカード16先」進国の子どもの幸福度をランキング2020年)
ちなみにその調査では日本は38ヵ国中の20位。
何がそんなに評価をされているかというと親世代の「ワークライフバランス」にあると言われています。
例えば日本では子育てはどうしても女性に負担が行きがちで、時短勤務をするのは女性が多いですよね。時短勤務になると、その後のキャリアが行き詰まるパターンも多いです。
対してオランダは例えば週4勤務だったり、パートタイムワーカーであっても出世ができる風土があったり、そんな勤務形態が男女問わず取れるような社会になっています。
子育て後もキャリアを諦めなくていいオランダいいな。
働き方に対して寛容なことで、親の精神的・肉体的な負担が減り、子供にとってもそれが良い影響を生んでいるようです。
またオランダは5〜18歳までが義務教育で、その間は公立、私立ともに基本的に学費は無償です。
日本も公立小学校、中学までは無償ですが、私立も含まれて高校までというのはありがたいですね。
ただし、オランダは大学の数が15校のみととても少なく、その結果進学率はなんと10%程度と言われています。(日本は50%代)
大学の進学まで考えると、その頃には日本なり新たに別の国への移住なりを考えた方が良いかもしれません。
大学の数すくない!
ヨーロッパ内なら別の国に大学進学するってのも日本人の想像より難しくないのかしら…。
ヨーロッパ旅行がしやすい
ヨーロッパの街並みと旅行が好きな個人的にはオランダに移住する最大のメリットは「ヨーロッパ旅行のしやすさ」といっても過言ではないかもしれません。
飛行機はもちろん、陸続きなので電車でも簡単に行き来することができますね。
タリスというオランダとベルギー、ドイツ、フランスを結ぶ国際鉄道があり、例えばパリならアムステルダムから約3時間電車に乗れば着いてしまいます。
都内在住の人が関西旅行に行くような感覚で、ふらっとパリに行ったりベルリンに行ったりできるなんて最高すぎる…!
また日本から海外に行くときは必ずパスポートを持って税関を通ってという手続きが必要ですが、オランダの場合シェンゲン協定加盟国内であれば入国手続きが不要です。
気軽に海外旅行が楽しめますね!
シェンゲン協定とは1985年に「ヨーロッパ圏内での人やモノの移動を自由にする」ことを目的に結ばれたものです。
2022年現在、加盟国は26カ国(アイスランド、イタリア、エストニア、オーストリア、オランダ、ギリシャ、スイス、スウェーデン、スペイン、スロバキア、スロベニア、チェコ、デンマーク、ドイツ、ノルウェー、ハンガリー、フィンランド、フランス、ベルギー、ポーランド、ポルトガル、マルタ、ラトビア、リトアニア、ルクセンブルク、リヒテンシュタイン)ある。
オランダ移住のデメリット
オランダ移住を検討するからには良い面だけでなく、悪い面も知っておきたいところです。
移住する上でデメリットになりそうなところもいくつか見ていきましょう。
実際に私がオランダ旅行で感じた個人的感想も含めて正直にいきます!
日本から遠く、時差が大きい
オランダまで日本の成田と関西国際空港から直行便が出ており、時間にして約11時間半〜12時間程度フライトにかかります。
12時間も飛行機の狭いエコノミー席で過ごすのは辛いものがありますよね。
ビジネスクラスやファーストクラスに気軽に座れる金銭的余裕が欲しい…。
特に子供のいる家庭などは大人しく座らせるのも大変だし、チケット代もバカになりませんし、気軽に一時帰国はしにくい距離感です。
また時差は冬は7時間、夏は8時間、日本が早くなっています。仮に夏に日本が正午なら、オランダは早朝の4時ですね。
オランダはサマータイムを導入しており、毎年、3月の最終日曜日から夏時間がスタートし、冬時間が始まる10月の最終日曜日の前まで続きます。
日本の会社とやりとりをするフリーランスは、オンラインミーティングをする機会もあるかと思います。
例えば日本の朝10時のミーティングに参加するためには、オランダでは夏時間だと夜中の2時となります。なかなか厳しい時差ですね。
子供の教育に良いとは言えないものも
過去に旅行でアムステルダムを歩いた時に、街中でたくさん見かけた「COFFEE SHOP」。
カフェではありません、大麻を売買できるお店のことです。中をチラッと覗くと薄暗くアングラなムードが漂います。近くを歩くときは少し足早になるくらい、ちょっと近寄りがたい雰囲気です。
またアムステルダムには「飾り窓」という売春地区もあります。夜が近づくと歩道側のショーウインドウのようなところに売春婦が立ち、お客さんに営業します。
一部の地区だけとは言え、どちらも自分の子供に対してなるべく見せたいものではないかなと思います。
日本でいう歌舞伎町の繁華街みたいなところが一部あるというイメージですね。
オランダだから、というよりは日本でも似たような地域はありますよね。
大都会の中心部ではないところに住めばあまり関係ない話かもしれません。
物件不足で家探しが大変
オランダ移住でどなたも口を揃えて「最も大変だった!」と話すのが「家探し」です。
特にアムステルダムは需給のバランスがあっておらず、慢性的な家不足で、良い物件が出てきたら何十組、下手すると100組もの問い合わせが入るそうです。
オランダ国民ですら苦労するというのですから、私たち外国人にとってはさらにハードルが上がりますよね。
物件紹介サイトなどを見て、個別に問い合わせていくのですが
このようにサイトを使うパターンもあれば、Facebookで「Amsterdam housing」「Amsterdam apartment」などと検索して出てくるFacebookグループに参加し、そこで紹介される物件に問い合わせるというやり方も一般的なようです。
家賃相場は例えばアムステルダムなどだと東京都心部と同じくらいか、少し高いくらいの家賃相場となっています。
例えば私たち家族(夫婦と赤ちゃん1人)が住むような物件だと月1,500-2,500€(2部屋以上、50~80㎡程度)はかかりそうです。
1ユーロ140円だとすると月21万円-35万円くらいですね。
うーん、なかなか高いですね。今の円安も痛いなぁ…。
平均身長が高く、自分が小さく感じる
私は身長162cmで日本ではそこまで自分が小さいと感じることはありませんが、やはり欧米の方々と並ぶとすごく小さく感じます。
欧米の中でもオランダは世界1の高身長国!
19歳時点の平均身長は男性182.9cm、女性は169.3cmとのこと。
「小さく感じる」=「悪い」というわけではもちろんないのですが、個人的には日本では小さい扱いに慣れていないぶん違和感があり、萎縮してしまうところがあります。
なんだか自分が子供になったような気分になりませんか!?(私だけ?)
洋服のサイズなど日本よりも大きいサイズが一般的でしょうから、その点ではデメリットと言えるかもしれません。
まとめ
オランダへの移住を検討して色々と調査して見ましたが、ビザや言語、働き方などのメリットは素晴らしいなと思う反面、デメリットはなかなか軽視できないものがあるなというのが正直な感想です。
「ヨーロッパにフリーランスとして移住をしたい!」という方にとっては検討をお勧めしたいですが、「海外どこでもいいから移住してみたい!」という方には少しハードルが高い気もします。
「海外どこでもいい〜」の方は、東南アジアやアメリカなども比較してから考えた方が良いのかなと思いました。
個人的にはどちらかというと「海外どこでもいいから移住してみたい」の気持ちの方が強いので、物価や距離、旅行した時の印象を踏まえると「最初の海外移住として選ぶ国」ではないかもしれません。
皆様もぜひ参考にしてください!