【シンガポールで子育て】インターナショナルスクールは高い?日本人学校は? 教育水準や進学制度、費用を全解説

国別情報

こんにちは、数年以内に家族での海外移住を計画しているmikaです。

先日いくつかの国を視察した結果、シンガポールへの移住を本格的に考えていきたいと思うようになりました。

その中で最も気になるのが子供の教育についてです。

シンガポールは教育水準・学費共にアジアの中でも非常に高いことで有名ですが「どんな学校があるのか」、「進学制度は日本とどう違うのか」、「費用はどれくらいかかるのか」など気になることだらけです。

同じくシンガポール移住を検討している子育て世代の方に向けて、シンガポールの教育事情を詳しく見ていきましょう。

シンガポール移住の全体像や実際に移住している方のお金事情についてはこちらの記事でも解説していますので、併せてご覧ください。

シンガポールのエリート教育

シンガポールは1800年代からマレーシアとともにイギリスの植民地でしたが、1965年にマレーシアから独立した非常に新しい国です。

東京23区より少し大きいくらいの非常に小さな面積ですが、世界でもトップクラスに経済力の豊かな国です。

経済指標を測る上での1つである「人口1人当たりGDP(国内総生産)」はシンガポールが世界5位、日本は27位です。(2021年時点)

その背景にはシンガポールの「エリート教育」が寄与していると言われています。

「エリート教育」って具体的にどんなことをやってるんだろう?

エリート教育を支える3つの特徴をあげて見てみましょう。

2言語教育政策

エリート教育を支える1つ目の特徴は2言語教育政策です。

シンガポールでは国の政策として2言語話者を育てる、つまり「バイリンガル」として教育することが定められています。

小学校では基本的に英語を公用語として授業が行われており、それ以外に中華系なら中国語、マレー系ならマレー語といった母語を学びます。

小学校だけでなく保育園や幼稚園でも幼少期から英語と中国語のバイリンガル教育が始まっているそうです。

小学校から習熟度別クラス

2つ目の特徴は小学校から習熟度でクラスが別れることが挙げられます。

日本では中学受験が過熱していて、受験用の塾では能力別にクラスが分けられることは普通ですね。

シンガポールの場合は塾ではなく高学年になると公立の小学校で習熟度別にクラスが分けられます。

小学校の時からしっかり勉強する力が身につきそうですね。

さらに卒業時には認定試験「PSLE(Primary School Leaving Examination」を合格する必要があり、その結果によって入学できる中学が決まり、合格点に届かないと留年になることもあり得ます。

小学校の段階でその後の進路が別れてしまう「PSLE」には反対派の意見もあり、2024年までに段階的に内容が一部変更されることが決まっているようです。

ICTの積極活用

3つ目はICTの積極活用です。

シンガポールではICTが日常的に教育現場で用いられており、その結果コロナ禍も学校の休業は1日もなく、オンラインで授業を行う環境がしっかり整えられていたと言います。

コロナ以前より教育省が提供するオンライン学習プラットフォームで勉強する訓練があったことが学校運営を維持できた理由の1つとみられています。

有事の時でも教育を継続できる環境を事前に作っていたシンガポールすごい…!

進学制度

国が異なれば年齢に応じての学校の進学制度や、卒業の条件、義務教育の期間も異なります。

日本と比較しながらシンガポールの進学制度を見ていきましょう。

シンガポールの進学制度
  • プレスクール(3〜6歳)
  • プライマリースクール(6〜12歳)
  • セカンダリースクール(12〜16or17歳)
  • ポストセカンダリースクール(セカンダリースクール卒業後2〜3年間)

プレスクール・キンダーガーデン

日本でいう幼稚園や保育園にあたるプレスクールは大体3歳〜6歳までの子供を対象にしていますが、スクールによっては18ヶ月からといったように受け入れ年齢はまちまちです。

シンガポール在住の知り合いファミリーは0歳でも保育園に預けられていると聞きました。

スクールによってまちまちのようですね。

日本人ファミリーのプレスクール選択肢としては下記3つがあります。

  • 日系園
  • ローカル園
  • インター園

日系園なら「1月お正月に餅つき」など日本独自の季節イベントがあったりします。

また日系園であれば4月が入園式ですが、ローカル園だと1月が入園式になるなどスタートの時期も変わってきます。

プライマリースクール・エレメンタリースクール

日本でいう小学校にあたるプライマリースクールは6歳からの6年間で、シンガポールの義務教育に相当します。

ただしシンガポールの公立小学校は基本的にシンガポール国籍の人と永住権を持つ人が優先的に入学することができ、定員割れのところがあれば外国人が応募できる仕組みとなっています。

義務教育とはいえ外国人ファミリーは公立ではなく、日本人学校やインターナショナルスクールを含めた私立小学校への入学が一般的です。

シンガポールの公立は外国人ファミリーにとって狭き門なんですね。

セカンダリースクール・ミドルスクール

プライマリースクール卒業後の多くのシンガポール人の進学先は日本でいう中学と高校に該当する「セカンダリースクール」に入学します。ここでは12歳から4〜5年間を過ごします。

日本と違って中高が4〜5年間なんですね。

外国人ファミリーの場合は一般的に日系の中学校、またはインターナショナルスクールのミドルスクールに通うことになります。

日系なら日本と同じく中学校は3年間、インターナショナルスクールの場合は採用している教育制度がイギリス式なのか、国際バカロレアなのか、アメリカ式なのか、というように学校によって変わります。

ポストセカンダリースクール・ハイスクール

セカンダリースクールを卒業したシンガポール人は大学進学を目指す場合、「ポストセカンダリースクール」という大学準備過程で2〜3年間を過ごします。

私たち外国人の場合はこれまでと同様に日系高校に進むか、インターナショナルスクールでハイスクールに進学し、その後に大学への進学を目指すことになります。

学校事情

シンガポールでは外国人の場合、基本的に現地の公立ではなくインターナショナルスクールか日系学校などに通うことが一般的であると記載してきました。

では具体的にそれぞれどんな学校があるのか見ていきましょう。

インターナショナルスクール

シンガポールにはインターナショナルスクールが約50校あり、御三家と言われるような伝統的で費用もなかなか高額なところから、シンガポールの中では比較的安価なところまで様々です。

ここでは伝統的な学校の「御三家3校」と「比較的安価と思われる3校」の合計6校を紹介します。

UWC SEA(United World College of South East Asia)

UWC SEAは御三家の1つで、1971年に設立され、ドーバーとイーストの2つのキャンパスがある人気校です。

ロンドンにあるUnited World Collegeという世界的に有名なインターナショナルスクールのブランド校です。

  • 教育制度:IB(国際バカロレア)
  • 対象年齢:4*〜18歳(*9月1日より前に4歳であること)
  • 人数:約5,500人
  • 年間費用(シンガポール$=100円で計算)※2023年度
    • 4〜7歳:初年度436.2万円、2年目以降391.5万円
    • 7〜11歳:355.6万円
    • 11〜14歳:421.7万円
    • 14〜18歳:443万円

SAS(Singapore American School)

SASはシンガポールにある御三家の1つですが、名前の通りアメリカ人学校の位置付けでもあります。

とはいえアメリカ人以外も入学可能、それどころか50~60カ国の国籍の生徒が在籍しており、大規模なインターナショナルスクールと言えます。

  • 教育制度:アメリカ式
  • 対象年齢:3*〜17歳(*9月1日より前に3歳であること)
  • 人数:約4,000人
  • 年間費用(シンガポール$=100円で計算)※2023年度
    • 3〜4歳:432.5万円
    • 5〜10歳:518.5万円
    • 11〜13歳:551.8万円
    • 14〜17歳:570.1万円

Tanglin Trust School

Tanglin Trust Schoolは1925年に設立された老舗で、インターナショナルスクール御三家の1つです。

「British International School」なので教育制度は基本的にイギリス式ですが、最後の2年間16〜18歳では国際バカロレアの選択も可能です。

  • 教育制度:イギリス式(一部国際バカロレアの選択あり)
  • 対象年齢:3*〜18歳(*9月1日より前に3歳であること)
  • 人数:約2,800人
  • 年間費用(シンガポール$=100円で計算)※2023年度
    • 3〜4歳:302万円
    • 4〜5歳:370万円
    • 5〜7歳:376.2万円
    • 7〜11歳:392.7万円
    • 11〜14歳:447.7万円
    • 14〜16歳:468.6万円
    • 16〜18歳:485.7万円

Heritage Academy

Heritage Academyはシンガポールの中で非常にリーズナブルなインターナショナルスクールの1つです。

日本語での情報が少ないため日本人の中で有名ではないかもしれませんが、インターナショナルスクールの口コミ評価サイトInternational School Advisorで「5点満点中4.1」とまずまずの評価を受けています。

  • 教育制度:アメリカ式 (キリスト教)
  • 対象年齢:6〜18歳
  • 人数:不明(1クラスあたり15〜20名の記載あり)
  • 年間費用(シンガポール$=100円で計算)※2023年度
    • 6〜12歳:78.5万円
    • 12〜18歳:88.4万円

400万−500万円といった学費もある中で、シンガポールで70−80万円は破格すぎる!

全体の人数が仮に1学年20名で12年間として240名の場合、御三家と比較するとその規模は20分の1程度なので、知名度やブランドはないのかもしれません。

譲れない条件はたくさんあるかと思いますが、中でも費用を優先したいという場合は一度チェックしてみると良さそうです。

5 Steps Academy

5 Steps Academyもシンガポールの中でリーズナブルなインターナショナルスクールの1つで、授業料は学年に関わらず一律で入学費用もないという非常に明瞭な料金体系を持っています。

こちらも日本語での情報は少ないですが、インターナショナルスクールの口コミ評価サイトInternational School AdvisorでHeritage Academyと同じく「5点満点中4.1」の評価を受けています。

公式サイトによると「数学に重点を置いたシンガポールで唯一のインターナショナルスクール」だそうです。

  • 教育制度:イギリス式
  • 対象年齢:5〜18歳
  • 人数:140
  • 年間費用(シンガポール$=100円で計算)※2023年度
    • 5〜18歳:166.4万円

授業料が一律だったり、入学費用がなかったり、わかりやすい料金体系は安心感がありますね。

こちらも1つ前にご紹介したHeritage Academy同様にかなり小規模な学校で、なかなか周りの人から口コミや情報を入手するのは難しそうです。

気になる方はぜひお問い合わせしてみてはいかがでしょうか。

Middleton International School

Middleton International Schoolは年間200万円近くしますが、それでもシンガポールの中でリーズナブルなインターナショナルスクールの1つです。

幼児教育に強い国際的なインターナショナルスクールのブランドであるEton houseの系列校で、3つのキャンパスを持っています。

  • 教育制度:イギリス式
  • 対象年齢:4〜18歳
  • 人数:900
  • 年間費用(シンガポール$=100円で計算)※2023年度/タンピネスキャンパス
    • 4〜5歳:185万円
    • 5〜11歳:175.9万円
    • 12〜16歳:201.6万円
    • 17〜18歳:231.5万円

日系学校

日本人ファミリーの場合、言語や文化を日本式で育てるために日系学校に子供を入学させるというパターンも定番の選択肢です。

どんな日系学校があるのか見ていきましょう。

シンガポール日本人学校(小学校・中学校のみ)

シンガポール日本人会により設立されたシンガポールの私立学校で、日本人会に入会することが入学の条件の1つです。

小学校がチャンギとクレメンティに2校と中学校がウエストコートに1校の合計3つで、高校はありません。

  • 対象年齢:6〜15歳
  • 人数:2000
  • 年間費用(シンガポール$=100円で計算)※2023年度
    • 小学校:85万円
    • 中学校:94万円

早稲田渋谷シンガポール校(高校のみ)

早稲田渋谷シンガポール校は名前の通り早稲田大学系属の日系高校で、実は首都圏の人気私立学校である渋谷教育学園の姉妹校でもあります。

1学年の定員100名に対し、82名の早稲田大学推薦枠があるため高い確率で早稲田大学への進学が期待できます。

  • 対象年齢:16〜18歳
  • 人数:300
  • 年間費用(シンガポール$=100円で計算)※2023年度
    • 高校1年生:354万円
    • 高校2、3年生:285万円

まとめ

シンガポールへの移住を検討するにあたって、一番気になっていたのが子供の学費でした。

今回調査することでシンガポールの学費の平均相場を知ることができ、底知れぬ不安からは解消されました。

学費は間違いなく高い!

でも頑張って探せば手が届くところもあるかも…?

学費は年々上昇傾向にあるようなので、こちらに載せている具体的な金額はあくまで参考程度としてご理解いただき、詳しくは公式サイトからご確認してもらえたらと思います。

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