こんにちは、家族で数年以内の海外移住を検討しているmikaです。
日本の税金、高いですよね。給与額面ではまぁまぁ入ってる気がするのに、手取りを見ると愕然とします…。
給与にかかる所得税や住民税だけではありません。年々上がり続ける消費税や遺産を相続する際の相続税、会社経営をする人は法人税などたくさんの税金がのしかかります。
海外移住したらもっと税金が安く抑えられたりするのでしょうか?
ここでは日本の税金の高さに疲弊して海外移住を検討している方へ向けて、そもそも日本は外国と比較して税金が高いのか、移住すると税金が安くなるのか、税金別に詳しく解説していきたいと思います。
日本ではそもそもどんな税金がある?
消費税や所得税など、気づけば色々なところで税金が取られていますが、改めてどんな税金があるのかおさらいしておきましょう。
税金はいくつかの視点で分類することができます。
- どこに納めるか(国 or 地方自治体)
- どうやって徴収されるか(直接 or 間接)
- 何にかかるか(所得 or 消費 or 資産)
ここでは私たち一般市民目線で考えやすい「何にかかるか」で税金を分類分けしてみます。
税金一覧 | |
所得にかかる税金 | 所得税 法人税 地方法人税 特別法人事業税 復興特別所得税 住民税 事業税 |
消費にかかる税金 | 消費税 酒税 たばこ税 たばこ特別税 揮発油税 地方揮発油税 石油ガス税 航空機燃料税 石油石炭税 電源開発促進税 自動車重量税 国際観光旅客税 関税 とん税 特別とん税 地方消費税 地方たばこ税 ゴルフ場利用税 軽油引取税 自動車税(環境性能割・種別割) 軽自動車税(環境性能割・種別割) 鉱区税 狩猟税 鉱産税 入湯税 |
資産にかかる税金 | 相続税・贈与税 登録免許税 印紙税 不動産取得税 固定資産税 特別土地保有税 法定外普通税 事業所税 都市計画税 水利地益税 共同施設税 宅地開発税 国民健康保険税 法定外目的税 |
税金めっちゃ多すぎません…? 気が遠くなってきた(めまい)
これだけ数がありますが、主要なものは限られています。
2022年の予算ベースの下記円グラフを見ると、所得税、住民税などの個人所得にかかる税金、法人関係の税と消費税が大半を占めていることが分かります。
今回は税金の中で占める金額割合の高い税金について各国と比較して考えてみたいと思います。
日本と海外の税金比較
ここからは税金の海外比較として、日本人の移住先としてよく検討される国々と比べていきたいと思います。
比較対象の国は欧米とアジアを中心に、私自身が気になるところを選びました。
- アメリカ
- ドイツ
- オランダ
- 中国
- シンガポール
- マレーシア
早速見てみましょう!
日本の所得税は高い?
会社員やアルバイトなら給与から、フリーランスなら所得から引かれる所得税ですが、諸外国と比較すると高いのでしょうか?
所得税率 最低 | 所得税率 最高 | 最高税率はいくらから (課税年間所得) | 特記 | |
日本 | 5% | 45% | 40,000,000円〜 | 住民税がプラス10% |
アメリカ | 10% | 37%+162,718ドル | 539,900ドル超 *1ドル140円の場合 75,586,000円 | 州所得税が別途 |
ドイツ | 0 | 45% | 274,613ユーロ〜 *1ユーロ140円の場合 38,445,820円 | 単身と夫婦世帯で条件異なる |
オランダ | 9.42% | 49.5% | 69,398ユーロ〜 *1ユーロ140円の場合 9,715,860円 | 最低税率の場合、27.65%の国民保険税がかかる |
中国 | 3% | 45% | 960,000人民元〜 *1人民元20円の場合 19,200,00円〜 | |
シンガポール | 0 | 22% | 320,000シンガポールドル超 *1シンガポールドル100円の場合 32,000,000円 | 2024年より最高税率は24%に変更 |
マレーシア | 0 | 30% | 2,000,000リンギット超 *1リンギット30円の場合 60,000,000円 |
上記で比較した国々は全て給与が高くなるほど税率が上がる、累進課税制度を取っていました。
こうして見ると日本は欧米や中国と比較すると同等、シンガポールやマレーシアなど東南アジアよりは高いですね。
この結果だけを見ると「日本だけ税金が高すぎる!」「 海外移住すれば安くなる!」 とは言えなさそうです。
住民税は海外移住するとどうなる?
それでは住民税はどうでしょうか。
個人的には日本の住民税は地味に高い印象がありますが、比べてみましょう。
住民税 | 特記 | |
日本 | 10% | |
アメリカ | あり 0〜12.3% | 州所得税。州によって異なり、かからない州もある。 |
ドイツ | なし | |
オランダ | あり | 市民税。居住地域によって異なる |
中国 | なし | |
シンガポール | なし | |
マレーシア | なし |
住民税は多くの国でないという結果でした。
こうして所得税と足し合わせて諸外国と比較すると、日本は15%〜55%となり、個人の所得にかかる税金は高い水準であると言えそうです。
日本の消費税は高いのか?
続いて、誰もが支払う消費税です。日本は軽減税率を取っていますが、諸外国はどうでしょうか。
消費税率 | 軽減税率は? | 特記 | |
日本 | 10% | 8% 酒類・外食を除く飲食料品、新聞 | |
アメリカ | 11.5% | – | 消費税は存在しない。 小売売上税という類似の税がある。 税率は州と、州の中の地域によって異なる。 |
ドイツ | 19% | 7% 食料品、書籍、新聞、宿泊施設、医療など | |
オランダ | 21% | 9% 食料品、薬品、書籍・雑誌、新聞、農産物、理髪、タクシーなど | |
中国 | 13% | 9% 小売、宿泊、レストラン、不動産、建設、郵便、輸送、物流など 6% 金融、コンサルティング、都市管理サービス、建設サービス | |
シンガポール | 7% | – | |
マレーシア | 10% | 6% レストラン、宿泊、レンタカー、修理、国内線、保険、クレジットカード、ビジネスコンサルティング、電気、電気通信など 5% 食料品、石油、建材、IT・通信ハードウェアや材料 | 消費税は存在しない。 売上税など類似の税がある。 税金がかからないものも多い。 農産物、食料品、、電力、水道、ガソリン、テレビ広告、機器のレンタルなど |
こうして見るとシンガポール以外は日本と同じか、それ以上の消費税がかかることが分かりました。
ただ軽減税率を導入している国は、日本よりも適用範囲が広く設定されているようですね。
日本はオムツとか生理用品とかを対象にしてほしい…なぜ新聞?
マレーシアのように電力や水道、ガソリンなど生活に欠かせないものに税金がかからないのは嬉しいポイントだなと思います。
法人税は海外だとどうなる?
サラリーマンや個人事業主の場合はあまり関係ありませんが、法人の経営者は現地法人を立ち上げるとなった時にとても気になるところですね。
法人税 ※法人住民税など地方税含む | 特記 | |
日本 | 29.74% | 資本金1億円以下の場合は年800万円以下まではもっと低い税率 |
アメリカ | 25.81% | |
ドイツ | 29.83% | |
オランダ | 25.80% | |
中国 | 25% | |
シンガポール | 17% | 稼ぎに応じて税率の軽減あり。 最初の1万シンガポール/期の税率75%OFFで4.3%程度。 19万シンガポールドル/期までは税率50%OFFで8.5%程度になる |
マレーシア | 24% |
シンガポールが1つ抜けて税率が安いのが分かりました。
確かにP&Gなど本社にシンガポールを選ぶというグローバル企業が多いのも頷けますね。
海外移住で支払う税金は減るのか
今回見てきた国々と日本を比較すると、海外移住することで支払う税金は「減るとは言い切れない」というのが大方の結論かなと思いました。
世の中そう簡単にはいきませんね…。
特に欧米は所得税は同程度、消費税は日本よりも高いというケースが多そうでした。
中国は日本と同じくらい。
シンガポールやマレーシアといった東南アジアは比較的日本よりも税金が安くなる可能性がありそう、ということが分かりました。
ンガポールやマレーシアへの海外移住を検討される方は下記の記事も合わせてご覧ください!
支払う税金が減ることのデメリットはある?
シンガポールやマレーシアだけでなく、モナコやアメリカのデラウェア州、中東の一部の国では明らかに税金が安い、ほとんどない国もあります。
ただし税金が安くても、それに付帯して医療や教育、公共交通機関、その他生活サービスの料金などの物価も合わせて考えないと「何が良くて」「何が良くない」とは一概に言えません。
税金によって公的なサービスや警察など治安の維持が保たれている部分もあると思うと、税金の安い国で一定水準のものを得るためにはそれなりの対価を払う必要が出てくる場合もあります。
とはいえ税金が安い国はが羨ましいですけどね。
産油国など資源の多い国は税金が安かったり、逆に資源の少ないシンガポールは国家戦略として海外からの投資を受けるためにあえて税金を抑えたりしています。
国の状況によって異なるので、税金が安いと物価が高いということも一概には言えませんが、なぜその国が税金が安いのかという背景を知っておくのは重要そうですね。
まとめ
税金を日本と諸外国で比較してきましたが、思っていたよりも日本の税金が高すぎるという結果にはなりませんでした。
税金だけでなく、自分や家族がどんなことにお金を使って、資産形成をどうしたいのかを考えて、それに対して移住検討国の物価や税金、保険サービスなどの条件がどうか、を見ていくのが良いのかなぁと思います!