こんにちは、数年以内に海外移住を検討しているmikaです。
今の日本は少子化で毎年人口が減少しています。この先、高齢化が進む中で少子化が改善されなければ増税や社会保険料の負担増は免れません。
それじゃあ将来を考えて人口増加国へ移住すれば子供世代の負担が減るかも!?
一面的に捉えると正しいのかもしれませんが、果たして「人口増加国への移住」はおすすめなのでしょうか?
今回は日本の少子化は世界と比較してどうなのか、人口増加国はどんな国があるのか、人口増加国へ移住は幸せなのかについて調べていきたいと思います。
日本の少子化の現状
日本の少子化について改めてその実態を認識していきましょう。
データで知る日本の少子化
日本の少子化は数字にするとどの程度のものなのか、世界と比較しながら2つのデータをみていきたいと思います。
- 出生率
- 国の総人口における子供の割合比率
出生率
出生率の計算式としては「年間の出生数(子供が生まれた数)÷人口」で求められます。
ちなみに「しゅっせいりつ」ではなく、「しゅっしょうりつ」が正しい読み方です!
実はちまたでよく取り上げられる出生率は上記の計算のものではありません。
私たちがよく目にするのは「合計特殊出生率」というもので、これは女性1人あたりの生涯出産数を表します。
計算式は「(15歳の女性の出産数÷15歳女性の数)+…+(48歳の女性の出産数÷48歳女性の数)+(49歳の女性の出産数÷49歳女性の数)」といった形で15歳から49歳の女性の出産数と人口数を年齢ごとに割って足し合わせたものになっています。
15歳の女性も出産する可能性があるとして計算されているのがなんだかモヤモヤするなぁ。
その合計特殊出生率を1960年〜2021年の日本の結果を出してみると、1967年ごろに2.23あったものが2021年には1.30まで下がっていました。
厚生労働省「合計特殊出生率の推移」より。
この2021年の1.30という数字は世界平均と比較して「1」低い数値で、世界ランキングでいうと下位30カ国以内には入ってきます。
国の総人口における子供の割合比率
少子化というくらいなので、全国民のうち子供の割合はどのくらいなのか、というのも気になります。
一般的に0〜14歳までを年少人口と呼び、この年齢の人を子供として定義すると2022年時点で1452万人、割合としては11.6%です。(参照:総務省 統計局)
この年少人口の割合を見ているとあまり気にならないかもしれませんが、少子化と表裏一体の高齢化について見てみると65歳以上の高齢者の人口割合は29.1%と非常に大きい数字です。
年少人口の2.5倍を超える数…!
少子高齢化はどんどん進み、高齢者の人口割合は40年で3倍以上に増えています。
- 1980年:9.1%
- 2000年には17.4%
- 2020年は29.1%
このままの数値で進めば2040年には35.3%まで増えると予想されています。
少子高齢化による生活への影響
少子高齢化による生活への影響はすでに大きくのしかかってきており、年金・医療費・介護の財源として税金や保険料が増え、実質の手取りが下がってきています。
今から約30年前の1990年に年収500万だった時と、今同じ額面年収でも1年で20万円程度手取りが落ちています。
1年で20万円は小さいように見えても、これに働き続ける40年間掛け合わせると20×40=800万円も差がついてしまうのだから恐ろしいです。
直近では各国で物価も高騰しており、マクドナルドのハンバーガーも15年前は100円だったものが2023年には170円まできています。
その中で手取りがどんどん減っていくと考えると、今後の生活が苦しくなる未来しか見えませんね。
人口増加国ってどんな国がある?
日本は人口が減り続けていますが、全世界で見ると人口は増え続け、2022年11月に80億人に到達しています。
ただしそのペースは年々低下しており、国連予測によると2080年代に全世界の人口は約104億円でピークに達すると言われています。
つまり日本以外の多くの国々でも少子高齢化が進んでいるということです。
それでもまだ全世界で人口増加しているということは、一部の国が爆発的に人口を増やしているということが分かります。
2050年にはアフリカとアジアの8カ国に人口の半数超が集中すると言われています。
上記の8カ国は一夫多妻制をとることが出来ます*。
*イスラム教徒限定など、宗教の制限は一部ある国もあり
人口増の要因とはいえ、いち1人の女性としては「一夫多妻制」は複雑な気分になります…。
ちなみに2022年時点で世界で最も人口が多い国は未だに中国です。
しかしながら2023年にはインドが中国を抜いて1位になると国連が発表しています。
あの人口大国の中国は2022年日本よりも合計特殊出生率が低くなっており、日本と同じく少子高齢化の問題に突き当たっています。
日本だけでなく中国までも少子化の波…!
人口増加国「フィリピン」での暮らし
ここからは2050年までに人口が増えるとされている国での暮らしと、日本での暮らしを比べていきたいと思います。
上記の人口増加国8カ国のうち、日本人が現在も少しずつ移住が増えている「フィリピン」を想定して考えていきます。
フィリピンは有名リゾート地セブ島もあるし、移住先候補地としては普通にアリな気がします!
フィリピンはどんな国?
まずはフィリピンの基本情報を外務省のデータから見てみましょう。
位置:東南アジアの海に囲まれています。
民族:マレー系が主体。ほかに中国系、スペイン系と一部少数民族がいる。
言語:国語はフィリピノ語、公用語はフィリピノ語と英語。
英語が公用語なんですね!
フィリピンに語学留学する人も多いのも納得。
面積:298,170km²(日本の約8割)。なんと7,641のたくさんの島で構成されています。
人口:1億903万5,343人(2020年フィリピン国勢調査)
日本の人口は1.2億人くらい。
フィリピンはどんどん人口が増えているので、すでに日本を超えているかもしれませんね。
収入と支出
フィリピン現地での暮らしを収入と支出に分けて見ていきましょう。
収入:フィリピンの現地採用で働く場合
フィリピンで現地採用として働く場合、平均月給はだいたい5〜10万ペソくらいになるようです。
2023年1月時点レートが1ペソ=2.4円なので日本円に換算すると12万円〜24万円くらいですね。
現地採用の給与はフィリピン内では高給取りにあたるので、最高税率35%と社会保険料4.5%が課せられるため実質の手取りは7.26万円〜14.52万円くらいになります。
日本で平均月給が12万〜24万円の場合だと所得税率は5%、社会保険料は14.65〜14.90%です。
人口増加国でも、労働人口が多いから税金が安いというわけにはならないんですね。
でも社会保険料は安い…!
支出:少し贅沢に過ごす場合
フィリピン現地の家賃や生活費に関しては全世界50万人の口コミで国別、街別の統計情報を公開しているサイトNumbeoからデータを参照して比べてみます。
1ヶ月の支出の概算費用を都心部でそれぞれ見てみましょう。
フィリピン マニラ | 日本 東京 | |
家賃 都心1LDKイメージ | 71,000円 | 154,000円 |
水道光熱費 | 13,500円 | 22,000円 |
通信費 | 5,200円 | 4,500円 |
食費 | 25,000円 | 50,000円 |
娯楽費 | 15,000円 | 30,000円 |
合計 | 129,700円 | 260,500円 |
ざっくり生活費は半分くらい?
水道光熱費と通信費がちょっとだけ高めなのかな。
家賃や食費、娯楽費は少し贅沢めな基準で考えたので、月の合計出費が約13万円はフィリピン基準で考えるとかなり高めかもしれません。
こんな感じの生活をする場合、少なくとも現地採用の平均月給上位の月10万ペソは稼ぐ必要がありそうです。
同様に日本で月26万円の支出をする場合は最低でも額面で月35万円程度の収入は必要になります。
フィリピンで月10万ペソ、日本で月35万円、どのくらい大変なのか正直比べられないですね。
どちらも平均の範囲内と考えると、ハードルは同じくらいかもしれません。
安全性
街の危険性に関しても世界各国の情報を集めた統計サイトNumbeoのSafety index by city(都市別安全指数)のランキングからチェックしてみます。
2カ国の人口上位都市の安全指数を表にしてみました。
フィリピン | 日本 | |
1 | マニラ首都圏 人口:1,348万人 安全指数:34.6 | 東京 人口:1,396万人 安全指数:75.5 |
2 | ダバオ 人口:163万人 安全指数:72.4 | 大阪 人口:884万人 安全指数:66.9 |
マニラだけすごく低い…!
でもダバオはなんと大阪よりも安全指数が高いのは驚きですね。
ダバオはフィリピンの中でもマニラとかなり離れたところにある都市で、観光省よりフィリピン国内で最も住みやすい都市として認定されているそうです。
ダバオは東南アジアで最も治安の良い都市と言われることもあるそうで、少し例外かもしれませんが、選べば比較的安全な暮らしも実現できるかもしれません。
ただグーグルストリートビューで実際の街を見てみると、日本と比べると建物の耐久性や衛生面が気になってしまう感じはあります。立派な建物のモールなどもあるみたいです。
フィリピンの抱える社会課題
「人口が増えている」という日本から見ると羨ましい点だけを見てきましたが、もちろん良い点だけでなくフィリピンでも社会課題を抱えています。
中でも貧困問題は深刻で、貧困状態の人が東南アジアの中で最も多いとされています。
貧困の結果、飢餓に苦しんだり、学校に通うことができなかったり、家庭内暴力や犯罪が増えたりといった悪循環が生まれています。
社会課題のレベルが日本と違う気がします。
生活を切り詰める必要はあれど、生命の危機を感じることはありません。
普通に暮らしていける日本は恵まれているのですね。
今は社会保険料が日本と比べて低いですが、これから国全体の経済や社会基盤を整えていく必要があることを考えると、将来的に負担は増えていくのかもしれません。
まとめ
今回は日本が今抱えている大きな社会問題である「少子高齢化」に注目して、逆に人口が増えている国での生活を考えてみました。
日本に帰国前提で一時的に移住するだけならば問題なく暮らしていけるかもしれません。
長期的に永住も見越して移住するとなると、人口増といった現在の一面的な良い部分だけでなく、国全体の社会課題も踏まえて考える必要がありそうですね。