こんにちは、数年以内に家族で海外移住を検討しているmikaです。
海外移住を考えはじめた時に気になるのが日本での手続き周りですよね。
その一つが「住民票」の手続きです。
そもそも住民票を抜く必要があるのか、残して良いのか、抜いた場合と残した場合にどんなメリットデメリットがあるのかなど、住民票一つを取っても気になることがたくさん出てきます。
日本国内で引っ越しするときは住民票を移動するのが当たり前だけど、海外に引っ越す場合はどうなるんだろう?
今回は海外移住を検討している方に向けて、住民票に関する知っておきたい基礎知識を調査してご紹介したいと思います。
住民票は抜く必要がある?
前提として海外移住する場合に「住民票は必ず抜く」必要があるかについてですが、海外の滞在期間によって変わります。
住民票の管轄は地方自治体なので例として東京都品川区のサイトを見てみると「1年以上出国をされる場合は、忘れずに住民票の転出の届出手続をお願いします。」と記載がありました。
転出手続きは日本国内での引っ越しでもやりますね! それと似たような感じなんだ。
基本的に1年以上海外に行くことが決まっている場合は住民票を抜くということですね。
住民票を抜かないと罰則がある?
ただし「出国届を提出せずに海外へ転出した場合(住民票を残したままの場合)」という記載もあるため、住民票を抜かないと何か罰則があるというものではないようです。
そうなると実態としては住民票を抜くことを忘れていたり、意図的に抜かないようにしているという人もいるかもしれません。
住民票を抜くとどうなる?3つの変化
海外移住する前提であれば、1年以上日本を離れるケースが多いかと思うので、基本的には住民票を抜くことになるでしょう。
住民票を抜くと下記3つのような変化があります。
- 日本の住民税を支払う必要がなくなる
住民税って結構高い割に支払いに対する恩恵を受けてない気がしてるから、なくなるのは嬉しいかも…。
ただし住民税は1月1日の居住地が日本の場合はその年6月以降に住民税の支払いが去年の収入分かかってきます。
つまり12月31日以前に住民票を抜いていれば翌年6月からは支払いが発生しません。
ただしワーキングホリデーで1年以上海外に滞在する場合は「居住」ではなく「旅行」という扱いになるそうで、住民票を抜いたとしても抜く前の市区町村に住民税を支払う必要が発生するそうです。
ちなみにイレギュラーではありますが、住民票を抜かなくても1年以上出国していることを証明する手続きを踏めば、住民税の支払いを免れることもできるようです。
- 国民年金保険料を支払う必要がなくなる
これは嬉しいけど、将来の年金受給額が減っちゃうリスクも兼ね備えてるよね。
将来の年金受給額が減ることに対して不安がある方は、国民年金保険に「任意加入」して支払いを継続することもできます。
日本の年金制度が今後も続くかどうかの不安もあり、どちらが良いのか悩むポイントですね。
ちなみに年金についてはこちらの記事で詳しく解説してますので気になる方は要チェックです!
- 国民健康保険脱退のため保険料支払いがなくなる
日本は居住している人は必ず保険に加入する「国民皆保険制度」を敷いており、企業に雇用されている人は「健康保険」、フリーランスなどで働いている人は「国民健康保険」に加入していると思います。
私は今は企業勤務で「IT健保」という「健康保険」に加入してる!
この「国民健康保険」に関しては日本に住民票があることが加入の条件になるため、海外転出した時点で強制脱退となり、保険料の支払いは無くなります。
日本で企業に雇用されている方で駐在で海外に行く場合、「健康保険」の脱退になるかは状況によって異なります。
例えば日本の会社にも在籍しつつ、海外に駐在になるような場合は日本支給の給与分と海外支給の給与分どちらも支払われることがあります。
私の妹は海外駐在中で、給与の支払いは日本と海外どちらからも支払われていました!
日本支給の給与が発生する場合は「健康保険の資格」が継続され、その支給分だけ健康保険料の支払いも継続するというケースがあります。
日本支給の給与が発生しない、一旦日本企業からは籍を外して海外に籍を完全に移すという場合は「健康保険の資格」が無くなり、健康保険料も支払いはありません。
保険から外れたら「医療費はどうなるの?」と気になる方はこちらで詳しく解説しましたので併せてご覧ください!
日本の所得税も払わなくてよくなる?
住民票を抜く場合、所得税に関しては日本へ払わなくてもよくなる人と、払い続ける必要がある人に分かれます。
具体的に払い続ける必要がある人は国税庁のサイトによると
- 日本で不動産収入がある
- 日本にある資産の売却(不動産屋株式など)による利益が発生した
このような場合以外は住民票を抜いてしまえば日本への所得税の支払いは不要です。
海外移住しながら税金を支払い続けるような場合には自分の代わりに確定申告などの対応をしてくれる「納税管理人」を選んで役所に届出をし、その人経由で税金を支払う必要があります。
「納税管理人」は一般的には親族や税理士さんにお願いするパターンがあるようですが、日本在住であれば条件は特にありません。
正直こんなことにお金をかけたくないけれど、自分が税金周りに不安があるなら専門家の方がいいのかなぁ?
所得税の支払いの他にも、住民税の支払いが残っているまま海外移住するという場合にも「納税管理人」を届け出る必要があるようです。
住民票を残す場合ってどんなとき?2つの事例
1年以上日本を離れるにも関わらず、住民票をあえて残す場合はあるでしょうか。
人によって様々なケースがあると思いますが、例を挙げてみてみましょう。
- 日本の銀行口座・証券口座を使い続けたい
実は住民票が無くなり海外居住者となる場合、日本の多くの銀行口座や証券口座は「解約」を求められるんです。
解約しないといけないの!? これは結構困る人多いのでは…。
ただし一部の銀行では海外居住者用のサービスを用意してくれているところもあるようです。
基本的に利用できる方は「日本に帰国する予定のある方」で
- 海外赴任
- 海外留学
- 上記に同伴する家族
と対象が決まっており、日本出発の遅くとも3週間前には申し込みが必要というケースが多いです。
下記表で3大メガバンクの月々の料金と利用できるサービスをまとめてみました。
料金 | サービス | 特記 | |
三菱UFJ銀行 | 月300円 | 「グローバルダイレクト」 通常の日本で使えるネットバンキングの利用に加えて海外送金も可能 | |
三井住友銀行 | 月220円 | 「SMBCダイレクト・グローバルサービス」 残高照会や日本内口座への振込などネットバンキングで可能 | 海外送金は「外国送金サービス(SMBCダイレクト)」へ申し込み必要 |
みずほ銀行 | 0円 | 「海外勤務者向け日本国内送金サービス」 日本内口座への振込などが可能 | 日本国内送金に関してのみ記述あり。 海外居住者へ公式に用意しているネットバンキング利用や海外送金サービスはない。(VPN利用すれば使えはするかも?) |
こちらに記載の情報は2022年9月時点の内容です。銀行名のところに海外居住者向けサービスの概要ページリンクも付けておいたので、気になる方は詳細調べてみてください。
できれば海外居住者用のサービスを用意している銀行口座に乗り換えた方が良いかもしれませんが、どうしても他の銀行を使い続けたいという場合は住民票が必要かもしれません。
バレずに使い続けている人も多そうだけど、少なくともリスクは認識しておきたいですね。
- 日本の金融機関から融資を受けたい
知り合いの会社で起こったケースです。
日本に会社はあるものの、代表取締役は海外に居住しており、日本に住民票がありませんでした。
融資申し込みの時点では特に指摘や依頼はされなかったものの、融資確定に至るには代表の日本の住民票の提出がマストだったんです。
あくまで代表の本拠地は日本で、海外には旅行(?) として滞在しているという「体裁」が銀行側として必要だったのかもしれません。
そもそも代表が海外にいる場合は日本に登記している法人でも融資を断られるという場合が大半だったようなので、住民票だけでOKというケースがレアかもしれません。
なかなか機会は少ないかもしれませんが、もし融資の希望を検討する際はご注意ください!
住民票はどうやって抜く?
住民票を抜くのは現在の市区町村の役場に海外転出届を提出するだけです。日本国内の引っ越しの時に転出届を出すのと大して変わりありません。
持ち物は目黒区のサイトを見ると
必須:
窓口に来るかたの本人確認ができるもの。(例)運転免許証、パスポート、マイナンバーカード、住民基本台帳カード(有効期間内のもの)、社員証、学生証、在留カード、特別永住者証明書など顔写真があるものは1点、ないものは2点の提示が必要です。
対象の場合に持っていく:
印鑑登録証(登録者)、国民健康保険被保険者証・後期高齢者医療被保険者証・介護保険被保険者証 (加入者)、マイナンバーカード(所持者)、住民基本台帳カード(所持者)
目黒区 転入・転出・転居
市区町村によって異なる場合もあるかもしれませんので、ご自身の住民票のある市区町村に必要な持ち物を調べてみてください。
まとめ
住民票の話だけでこんなに情報が満載だとは驚きです。
海外移住すれば税金や健康保険料の支払いがなくなると思っていても、肝心の住民票を抜くことを忘れていたり、必要な手続きだと知らずに住民票を抜かずに海外移住すると支払いが続いてしまいます。
気を抜かずに1つ1つ確実に手続きを終わらせて、安心して移住したいですね!