こんにちは、家族で3年以内の海外移住を考えているmikaです。
日本にいると歯医者も軽い風邪も診察にお金はそこまでかかりませんが、海外だとめちゃくちゃ高額! というイメージをお持ちの方も多いのではないでしょうか。
旅行なら海外旅行保険に加入したり、日本に帰ってから病院に行けばいいでしょと気軽に構えていられますが、移住となるとそうはいきません…。
今回は「海外移住を検討しているけど、現地での医療費が気になる方」に向けて海外移住時の医療費や保険加入やその選び方についてご紹介します。
日本と海外の医療制度の違い
海外の医療費(特にアメリカ)はすごく高額なイメージがありますが、その理由は保険制度の違いにあります。
保険制度といってもそもそも日本がどうなってるのか、いまいちピンときませんよね。
日本も含めてアメリカ、ヨーロッパ、東南アジアの公的保険制度について詳しく見ていきましょう。
日本の公的保険制度
日本では国民皆保険制度というものに全員加入しており、これによって原則医療費の負担割合が3割となります。乳幼児や70歳以上の方はさらに負担率が低く設定されています。
日本の保険適用範囲は非常に広く、歯科治療なども対象ですよね。
美容整形やレーシック手術、新薬を使った高度先進医療費用、入院時の差額ベッド代や食事代などは保険適用外となり、負担割合が10割となります。
確かに出産時は食事が美味しい綺麗な病院を選んだけど、ちょっと高かったのは保険適用の範囲外だからなんですね。
入院や手術、ガンなどの治療が必要な場合、公的保険で負担割合が減るとはいえ、病院にかかる回数も増え、医療費はかさみます。
そういった不安に対して日本では公的保険にプラスする形で民間の医療保険に加入する方もいますよね。
大きな病気しない限りは無駄かもなぁと思いつつ、私も夫も民間の医療保険に加入してます!
アメリカの公的保険制度
対してアメリカでは国民全員が保険に加入するような公的な制度はありません。
65歳以上の高齢者や障害者向けの「メディケア」と低所得者向けの「メディケイド」のみです。
それ以外の方は自分で民間の保険に加入することを検討する必要があります。
会社の福利厚生で保険に加入してくれる(一部会社が費用を負担してくれる)場合も多くあるようです。
アメリカでは民間保険に加入していても
- 保険の掛け金を高く設定しないと、高度な医療を受けられない
- 保険適用の範囲が狭い(歯科や眼科は対象外など)
などの理由で医療費の負担割合が高くなるなどあり、結果的にアメリカの医療費は保険も含めて高いという印象がついているようです。
自発的に保険に入らなくちゃいけなかったり、保険適用の範囲が狭かったりするんですね。
知らないで気軽に病院へ行くと痛い目を見そう!
アメリカの平均保険料
アメリカの場合、民間保険なので年齢や加入している保険の内容によって毎月の金額はバラバラですが、平均すると2022年は月額438ドル(health markets調べ)程度だそうです。
最近は円安が進行して1ドル140円も間近ですが、それで換算すると平均約6万円程度の保険料をかけていることになりますね。
やっぱりアメリカは医療費も保険も高い!
健康な時は良いけど体を壊したら住み続けられないかも。
アメリカの保険料は居住する州によっても異なるようです。
こちらのブログに詳しくご紹介されていたので、ご興味ある方は見てみてください。
ヨーロッパ(ドイツ)の公的保険制度
ではヨーロッパの公的保険制度はどうなっているでしょう。
ヨーロッパといっても国によって違いがありありますが、ここでは代表としてドイツについて調べてみました。
ドイツは日本と同様に国民全員が加入できる公的保険があります。
ただし大きく違う点として、高所得者の場合は公的保険をやめて、プライベート保険に加入する権利が与えられます。
高所得者とは給与ベースで月額4237.50 ユーロ以上の場合です。仮に1ユーロ=135円で計算するとだいたい月63万円くらいですね。
日本では公的保険にプラスして民間保険に入りますが、ドイツの場合はプライベート保険に加入する場合は公的保険から抜けることが一般的です。(プラスできるものもあるようですが)
アメリカと違い「保険に入らない」という選択肢はなく、公的保険またはプライベート保険のどちらかに必ず加入する必要があります。
公的保険の場合は扶養家族がいる場合、養い手が保険に加入していれば配偶者や子供は保険加入不要ですが、プライベート保険の場合は1人1人の加入が必要です。
公的保険を1度抜けると戻ることはできないため、公的保険から抜けるかどうかは注意です。
そして気になる医療費ですが、保険適用範囲の場合は医療費の負担はありません。
なんとドイツは基本的に無料です。
医療費無料は嬉しいけど、毎月の保険料も高いってこと…?
ドイツの平均保険料
保険料は公的保険に加入する会社員の場合、目安「給料×15%前後」となります。
ただし会社員の場合は保険料を半分会社が負担をしてくれるので、自分の給料から引かれる額としては給料×7.5%程度です。
仮に毎月4,000ユーロの額面給与だとしたら、300ユーロが引かれるイメージですね。
1ユーロ135円と仮定すると額面54万円程度で、毎月の保険料は4万円くらいですね。
協会けんぽに加入している東京の会社の場合と比較すると日本よりも少し高いくらい?
ちょっと高いけど、毎月病院に行く人や扶養家族が多い人にとっては医療費がかからない分嬉しいのかも?
ちなみに日本人の駐在員やフリーランスの場合は基本的には公的保険ではなく、プライベート保険に加入するようです。
金額は上記の公的保険と大差はないようですが、家族がいる場合は1人1人加入なので高くつくのが痛いところです。
ドイツの保険制度もっと詳しく知りたいよという方はぜひこちらのドイツ留学代理店さんが書かれている記事をお勧めします!
東南アジア(マレーシア)の公的保険制度
最近は東南アジアへ移住をする方も多いですが、日本人にも人気なマレーシアの医療費と保険制度はどうなっているか調べてみました。
マレーシアは日本と異なり国民全員が加入する公的保険はありません。
その代わりにマレーシアでは政府が運営する国公立の病院があり、そこでの医療費は基本的に無料です。(外国人の場合はプラス請求ある場合もある)
ただし非常に混雑しており、人手不足もあり受診するのに待ち時間が長く、予約も取りづらくなっています。
私立病院の場合は医療費は国公立よりも高いですが、待ち時間が短く済むほか、日本人の通訳スタッフがいたりとサービスを充実させているところも多いそう。
医療は自分では分からないことも多いし、言葉も通じないと不安だから通訳がつくのはとても嬉しい…。
ただし私立の病院の場合は医療費がしっかりかかってくるので、民間の医療保険に必ず加入してから受診することになります。
世界の医療事情を知るには
日本の外務省のサイトでは「世界の医療事情」というページで現地の医務官が調査した医療費や保険事情、現地の病院や、気をつけるべき現地でかかりやすい病気などの情報をまとめてくれています。
日本語が通じる病院をピックアップしてくれていたり、もしもの時のための現地公用語での医療用語が記載されていたりするので、いざという時のために見ておくと良さそうです。
海外移住する場合の医療保険
アメリカやヨーロッパ、東南アジアへ日本人が移住をする場合、現地の公的保険ではなく、民間の医療保険に加入するという形が一般的ということがわかりました。
会社員で駐在として行く場合は会社が用意してくれたり、現地採用で働く場合は福利厚生として医療保険が用意されている場合があるかもしれません。
仮に上記のような補助がなく、自分たちでどうにか民間の医療保険を受ける必要がある場合はいつのタイミングで加入するのか。
大きく2通りあります。
- 日本であらかじめ移住先で使えるものを選んで加入する
- 移住先の現地で選んで加入する
「そこまで長い期間いる予定はない」「基本的に病院にかかるつもりはない」という方はタイミングを見て現地で加入で問題ないかもしれません。
個人的には子供もいるため日本であらかじめ加入しておきたいなと思います。
最悪自分だけならまだしも、子供が苦しそうな時や緊急時に医療費が心配で病院に行けないなんて事態は絶対避けたい!
では日本であらかじめ加入するとして、どんな保険があるでしょうか。
海外旅行保険に加入する
調べると「海外旅行保険」に加入するということになるようです。
永住することが確定している場合は別ですが、基本的に短期でも長期でも駐在や留学、観光などを目的とした滞在の場合は「海外旅行保険」またはその延長の保険(駐在保険、ワーホリ保険、留学保険など呼び名が変わる)をお勧めされている保険会社が多いようです。
ただし前提として「海外旅行」の保険なので帰国が前提となっています。
1年以内、または長くても2年以内が保険期間となっているようなので、完全に移住するという場合は現地の医療保険に加入することを考えておいた方が良いのかもしれません。
安さで選ぶなら海外ノマド保険「Safety Wing」
日本の保険会社が提供する旅行保険は長期になるとかなりコストがかさみます。
コストパフォーマンスを求めてノマドワーカーが加入しているのがアメリカシリコンバレー発の海外ノマド保険「Safety Wing」です。
- 4週間42$で旅行保険+医療保険に加入できる(10-39歳の場合、アメリカ渡航は別料金)
- 上記の料金で10歳未満の子供1人も無料で追加保険
- 日本出発後でも加入できる
- 保障上限額は25万ドル
日本の保険会社で海外旅行保険に4週間入ろうと思うと安くても1万〜3万くらいは一人当たりかかるので、42$(1$=150円なら6,300円)ならかなり安いです。
この安さで子供も無料で追加できるのはとっても嬉しいポイントですね。
日本出発後でも加入できるというのも他の日本の保険会社にはないサービスなので、「加入したかったのに忘れていた!」という万が一の時にも安心です。
1つネックになるとすれば、海外のサービスなので最初の登録から保険請求まですべて英語で行う必要があることです。そこさえ問題にならなければ利用しない手はなさそうです。
クレジットカードの付帯保険でカバーする
クレジットカードの中には海外旅行保険が付帯保険として入っているものもあります。
クレジットカードを持っていれば、別途保険の契約手続きを踏むことなくサービスを受けられるというイメージです。
私の持っているEPOSカードにも海外旅行損害保険がついてました!
ただし対象期間は1旅行につき90日間までと短い制限期間です。
一つの場所に留まらずに海外と日本を行ったり来たりするような方には最も使えると思いますが、移住前提となると使い続けられるものではなさそうです。
日本の健康保険に加入していれば海外の療養費を清算
実は日本の健康保険に加入している場合、海外現地での医療費を帰国後に保険請求できます。
これが「海外療養費制度」というもので、日本での保険診療と認められる医療費については日本での負担額と同じだけの支払いとなり、残りが給付金として戻ってきます。
ただし、下記のような注意点があります。
- 日本に住民票を残す必要がある(税金、年金、保険料を払い続ける)
- 現地では全額を自腹で支払う必要がある(帰国後に請求して戻ってくるまで時間がかかる)
- 請求するための書類が必要になる(現地で記載してもらう必要あり)
- 還付される医療費は日本の医療費が基準となる※
最後の点は少し分かりづらいので下に補足しました。
※例えば同じ医療行為でも「海外現地では50万円、日本では40万円」だった場合、日本基準では40万円の7割28万円まで健康保険側で支払うことになるので日本では自己負担12万円です。海外療養費制度を使うと50万円-28万円で22万円の自己負担となります。
長期滞在前提の場合、帰国後にしか請求できないとなるとちょっと使い勝手が悪いかもしれません。
日本の住民票も残すとなると住民税や年金の支払いが続くことになります。何がお得になのかよく考えないといけませんね。
契約中の生命保険などは海外移住するときに解約する?
結論、海外移住するときに必ず解約する必要はありません。
海外でも保険が適用されるケースがほとんどだからです。
とはいえご自身が加入しているものも「全て海外でも適用されます」とは言い切れません。
海外移住する場合、今後書類をどの住所に送るかなど加入している保険会社へ申請が必要になります。
その際にご自身の保険が海外で対応しているのか、どこまでカバーしているのか併せて確認しておくと良さそうです。
また海外移住をしたとしても保険金の定期支払いは日本円で行います。
- 移住前に全額支払いを済ませてしまうか
- 継続的に日本円を口座にもっておいて海外送金をするか
という選択が必要になることを覚えておきましょう。
まとめ
こうして医療費について調べてみると、何も知らずなんとなく高いイメージを持っていた時と比べると「保険さえ入っていればそんなに高くはならない」ことが分かりました。
アメリカはそれでも確かに高くつきそうですが、ドイツやマレーシアはもしかすると日本よりも安く医療費が済むかも? と思う部分もあります。
とはいえ海外でお医者さんにかかるのはやはり少し怖いもの。
何より健康が一番安上がりですから、食事に気をつけて運動をちゃんとして健康管理していきましょう!