こんにちは、家族で3年以内の海外移住を目指しているmikaです。
私は現在0歳の子供の育児をしていますが、子供の世代になった時に日本の少子化が進行している未来を考えると、海外移住をして将来の選択肢を増やしてあげたいという気持ちが強くなります。
とは言え日本以外の国の教育がどうなっているのか、学費はいくらかかるのかなど分からないことだらけです。
そんな私のような方に覚えておいて頂きたいのが「ドイツ」。 なんと学費が無料です。
夫がドイツへの仕事機会も多く、移住の可能性も踏まえて今回調べて見ることにしました!
お子様の教育移住を検討されている方に向けて、ドイツの子育て環境や教育に関する情報をお届けします。
ドイツの子育て環境
ドイツといえばヨーロッパで日本との距離も遠く、言語もドイツ語と日本人にとってはそこまで身近な存在ではないかもしれません。
さらに子育てとなると、費用が仮にとても安いとはいえ、イメージが湧きにくく、すぐに「移住したい!」とはならないかと思います。
ヨーロッパ…ドイツへの移住…!
格好良いけど事前知識がなさすぎて不安かも。
まずはドイツの学校のシステムや言語、教育スタイルなど細かく見ていきましょう。
ドイツの学校システム
日本では保育園または幼稚園の後に小学校、中学校、高校、大学というパターンが一般的ですが、ドイツは全然違うステップで進んでいきます。
上の図は少しみづらいですが、6歳まで幼稚園というのは日本とほぼ同じですよね。
そして6〜10歳、日本でいう小学4年生までは基礎学校というところへ基本的に入ります。
特筆すべきは10歳以降…。子供の特性や希望に応じて3つに進路が分かれます。
- ハウプトシューレ:15歳で卒業後は就職。職人などに就く。(5年制)
- 実科学校:16歳で卒業後は事務職などに就く。(6年制)
- ギムナジウム:大学進学する人が進む。(9年制)
10歳の頃の自分を思い返すと子供すぎて将来の選択するのってなかなか想像つきません…。
日本人が教育目的でドイツへの移住を検討する場合はギムナジウムに入学できるよう考える方が多いと思います。
ただしギムナジウムに入学するためには成績が優秀である必要があるため、必ず入学できるわけではないというところはリスクですね。
このルート以外にも6歳から19歳まで一貫校である総合制学校(ドイツ語ではゲザムトシューレというそうです)に通い、こちらも成績優秀な場合は大学に進学できる資格を得ることができます。
自分が子供だったら10歳で進路決めはきついから、総合制学校がいいかもなぁ。
教育スタイルは?
日本では座学や暗記中心の画一的な教育方針というイメージがあります。
例えば成績はテストの点数が満点なら一番評価の良い「5」をもらえることがほとんどですよね。テスト対策ができれば成績が良いとなるでしょう。
一方で、暗記中心の勉強方法ではなく、自らが主体的に考えて発信したり、子供の特性にあった教育にも興味があります。
ドイツの成績のつけ方は半分はテストの点数も加味されますが、もう半分は授業中の平常点。
特に積極的に手を挙げて自分の意見を発言ができていたかどうかで判断されるそうです。
学力が高くなるかどうかは別にして、自分の意見を主張できる能力を学生時代から訓練されるのは社会に出てから役に立ちそうですね。
世界と比較した教育水準
世界的な教育関連の調査などを行うOECD:経済協力開発機構による2022年の教育総合ランキングを見ると、41カ国中ドイツは15位と日本は14位と近い順位に位置していました。
国 | |
1位 | フィンランド |
2位 | オーストラリア |
3位 | スウェーデン |
・・・ | |
11位 | 韓国 |
12位 | オランダ |
13位 | リトアニア |
14位 | 日本 |
15位 | ドイツ |
これを見るとドイツは日本の教育レベルより非常に優れているとは言えませんが、低すぎるということはなさそうですね。
ドイツは教育費がかからない?
ドイツでは小学校から大学院まで、国籍を問わず原則として公立の場合は学費が無料です。
今の時代、養育費や将来の学費を心配して子供を作ることを諦めていたり、人数を一人までと決めている家庭も少なくありません。
私たち夫婦も子供は1人で精一杯かなと思ってました…。
もし学費がうんと安ければ、将来の不安を解消し、お金の制限に縛られずに自分たちの家庭を考えていけるでしょう。
日本で小学校から全て国公立で大学までにかかる学費は平成30年の文科省調べと令和2年の日本政策金融公庫の調査を掛け合わせてみると
- 小学生:約200万円
- 中学生:約150万円
- 高校生:約140万円
- 大学:約500万円
以上を合計すると約990万円もかかります。
これがなくなると思うとめちゃくちゃ大きいですよね。
学費だけで考えても移住する価値は十分にありそうです!
日本でかかる子供の教育費に関して詳細が気になる方はこちらの記事をご参考にどうぞ。
実はドイツに限らず、ヨーロッパの多くの国で学費がかなり安く済むんです。
有名なのは北欧の国々などですね。
こちらのサイトでは2018年時点の大学学費の比較を国別でご紹介していましたので、気になる方は参考にしてみてください。
ドイツ語で話すことになる?
ここはドイツのローカルスクールに通う場合はドイツ語が共通言語となるため、ドイツ語をメインで話すことになります。
英語は第二言語として日本での教育と同様に、普段から使うわけではないですが、学んで覚えることになります。
外ではドイツ語を話し、家の中では日本語を話す、そして英語も勉強して話すことができればトリリンガルを目指すことができますね。
ただし英語がネイティヴ並みに流暢になるには日本での学習と同様に大変なことでしょう。
ネイティヴ並みを期待するならドイツのローカルスクールではなく、インターナショナルスクールが一番の近道となりそうです。
インターだと学費の安さの恩恵が受けられないのがネックですよね。
ドイツは日本人が暮らしやすいのか
ドイツへの海外移住というのは会社転勤を除いてあまり聞かない話ですが、日本人は現状何名ほどいるのか調べてみました。
国 | 在留日本人 | |
1位 | アメリカ | 429,889 |
2位 | 中国 | 107,715 |
3位 | オーストラリア | 93,451 |
・・・ | ||
7位 | ブラジル | 48,703 |
8位 | ドイツ | 42,135 |
9位 | 韓国 | 41,238 |
4万人もいる!
とはいえ一番多いアメリカと比べると10分の1くらい。ふむふむ。
ドイツに住んでいる日本人の数だけで見ると、全世界で8位の人数なので「住みにくい」ということはなさそうに見えますね。
ここからは言語や物価、環境の点で細かく調べてみましょう。
英語は通じる?
個人的に2015年、2017年と2度ドイツに旅行をしたことがあります。2都市訪問し、ベルリン・ドレスデンどちらも英語が通じないことはなかったです。
道端で英語が飛び交っているというほどではありませんが、お店どこに入っても問題なくコミュニケーションができました。
しかしベルリンからドレスデンまで鉄道を利用した際、車掌さんに話しかけられた時はドイツ語オンリーで、英語は通じませんでした。
その時はかなり焦りました!
けど趣味でちょっとだけドイツ語勉強してて助かった…!
観光客がいるような都心部は使えても、外国人の数が少ないところでは英語は通じないと思っていた方がいいのかもしれません。
ビザは取りやすい?
ドイツの場合はビザなしでも90日間は滞在することができます。
それ以上、継続してドイツに滞在したい場合は何かしらのビザが必要となります。
具体的にどんなビザがあるかというと
- 就労ビザ
- 留学ビザ
- フリーランスビザ
- 配偶者ビザ
などがあります。
現地で働くことができる就労ビザは申請に際して必要な要件を満たしていれば、欧州の中でも比較的取りやすいようです。
こちらのドイツ大使館が運営する記事の中でも、「ヨーロッパの中でいかにドイツの就労ビザが取得しやすいか」が紹介されていました。
またフリーランスビザに関してはドイツの中でも州によって対応や条件が異なるようですが、比較的ベルリンでは取りやすい、実際に取得している人のブログを多く見つけることができました。
こちらの方の体験談は事細かでとても参考になりそうです。
物価は高い?
ヨーロッパは比較的物価が高い印象がありますが、ドイツはどうでしょう?
食事は安く抑えられる?
外食は高くつきますが、スーパーで購入する食料品はそこまで高くなく、日本とそう変わらないようです。
お酒に関しては日本より安いものもあります。特にドイツといえばビールですが、ビールは330mlサイズが70¢程度で購入できます。
外食をしなければ東京と同じくらいの物価感で過ごせるのかな?
税金が高い?
ドイツの消費税率は19%と日本の約2倍です。
ただし軽減税率が導入されており、食料品、書籍、新聞、宿泊施設、医療などは7%です。
外食の場合は消費税率19%が適用されるのに加えてチップ文化もあるので高くつくみたいですね。
住環境は?
ドイツの中でも住む地域によって家賃や広さは変わってくるようですが、首都のベルリン周辺であれば月2,000€前後で40~60㎡程度の家具付き物件を借りることができそうです。
金額や物件はこちらの不動産サイトを参考にしました。
こちらのサイトを利用してベルリンで物件探しをされている日本人の方のブログも見つけました。
特に問題なく利用できたそうですよ。
ちなみに日本人観光客にも人気なミュンヘンは非常に家賃が高く、同じサイトで見てみると40~60㎡程度だと月3,000-4,000€前後は必要そうです。
夏は日が長く明るいが、冬は暗くて寒い
ドイツを含めたヨーロッパの多くの国々は高緯度で北のほうに位置することもあり、夏は6時から21時頃まで明るいですが、冬は8時から16時頃まで、それ以降は暗くなってしまいます。
夏場は湿気も少なく比較的過ごしやすいのに対し、冬の寒さは氷点下にとどまらず年や地域によってはマイナス20度なんていう凄まじい寒さになります。
冬のドイツ旅行もしましたが、その年は日本とそんなに変わらない気温だったかな。
また全体的に晴れの日も少なく、薄暗い日が続くため冬季うつなんという言葉もあるそうです。
冬のクリスマスマーケットは一大イベント
そんな厳しい冬のドイツでも、楽しいイベントがあります。
11月末ごろから12月24日までドイツの街中にはクリスマスマーケットが開かれます。
大きなツリーが飾られ、クリスマスツリーのオーナメントや置物などのお店やホットワイン、ソーセージやお菓子などの出店が立ち並び、とても華やかで気持ちも明るくなります。
まとめ
独身の頃にドイツをなんとなく好きで旅行したり、ドイツ語を学んでいた頃は「教育移住」を検討してドイツのことを調べることになると思いませんでしたが、改めて子育てに非常に良い国だとわかり、さらに好きになりました。
今後、ドイツでの夫の仕事が増えてくるようであれば、教育移住先として非常に前向きに考えられそうです。